材料試験などによく使われるひずみゲージについて情報をまとめます。ロボットに貼り付けてもフレームの変形などが検知できるので軸力センサのような使い方もできるかもしれませんね。

ひずみゲージの測定原理

ひずみゲージには主にワイヤゲージと箔ゲージ(フォイルゲージ)があります。

ワイヤゲージは薄い台紙の上に細い抵抗線をくねらせながら貼ったもので、箔ゲージは抵抗部に線ではなくエッチング技術で製造したパターンを用いたものです。最近は半導体製造ラインで製造でき安価なので、箔ゲージが主流となっています。

しかしながらワイヤゲージも箔ゲージもその測定原理は同じで、伸びによって変化する導線の抵抗値を読み取ってひずみを測定するというものです。

ひずみとひずみゲージの抵抗値の変化には以下の関係が見られます。抵抗値の式から考えれば当たり前かと思います。

・・・(1)

Rはひずみゲージの抵抗値、Lはひずみゲージの長さです。また、Ksはゲージ率と呼ばれ、ひずみゲージ固有の値です。

ひずみゲージの抵抗値の変化はホイートストーンブリッジ回路で測定されることが多いです。ホイートストーンブリッジは原理的に測定量が平衡点にあるどうかで測定量を知る「零位法」という区分の測定をしているため、測定精度が高く、微少な抵抗値変化も検知できるからです。

ホイートストーンブリッジの回路図は以下の図のようになります。

ホイートストーン

図 ホイートストーンブリッジ回路

キルヒホッフの法則から以下の式が導き出されます。

・・・(2)

例えば、抵抗R1をひずみゲージだとみなして、R1→R1+ΔR1と変化したとし、他の抵抗値を合わせてR1=R2=R3=R4=Rとします。すると

・・・(3)

となります。

ΔR<<Rであるので分母のΔRを無視すると

・・・(4)

この式(4)と式(1)より

・・・(5)

ひずみεは

・・・(6)

であるので

・・・(7)

とひずみを表すことができます。

以上のようにひずみゲージと、それと抵抗値の等しい抵抗器3つを用いたホイートストーンブリッジ回路で、電圧の変化からひずみを求めることができるのです。

ロゼット解析